エコー技研の主力商品は、ウェハー製造会社向けの最終洗浄装置です。
他にも半導体業界周辺のもろもろの洗浄装置や周辺機器と呼ばれるものも製造販売していますが、
現在のところシリコンウェハーのバッチ式自動ウェット洗浄機の中で最終洗浄装置と呼ばれるものを得意としています。
その最終洗浄装置について簡単に説明するのは結構難しいことで、 普通は最終段階の綺麗なシリコンウェハーを完全に綺麗にする装置ですと説明しています。
以下はエンジニアでも無く、半導体業界に詳しくもない方への当社の洗浄装置の説明です。
中学生だった娘に聞かれて説明した内容が基になっています。
どのように洗浄するかの質問には、少し液状の薬品の力をかりて、最終的には現在の技術で出来る最高に純粋な水を使って、 それで洗浄しますと答えています。
水は不純物を溶かし込んで除去出来る自然の溶剤で、そのため地球上に存在するほとんど全ての元素(60種類以上)が海水中に溶けて存在しているほどです。
ただ水だけでは不純物を溶かし込む力が弱かったりたり、油分はそのまま溶かすことは出来ないので分解したり、
小さな固形物は粒子のまま表面からはぎ取るために付着する力を何とか弱くする工夫が必要だったりで、結局薬品の力を借りた水洗浄と言うことになります。
洗剤(界面活性剤)は使わないのかとか、車を洗うようにブラシでこすったりしないのかとの質問には、そういう方法が必要な洗浄装置も有りますが、そのような洗浄は例えて言えば、 100,000の汚れを10まで奇麗にする場合です。我々の役割は0.003の汚れを0.001にする事です。そのための工夫が当社の装置には必用なのですと申し上げています。
何となく解っていただけるでしょうか。
洗浄装置と言っても装置のイメージも湧かないだろうしそもそも興味を持たれるような内容に技術用語を使わずに説明することは不可能に近いと思っています。
すでに洗浄装置を御存知の方向けには、次のような出来の悪い雑談が有ります。
かつて「洗浄」と言う漢語は「洗滌」と書いていました。戦後の当用漢字とその後の常用漢字で「滌」が含まれなかったので、洗滌は洗浄又は洗淨と書かれるようになったそうです。
ところが、洗滌は「せんじょう」とは読まなかったのです。以下辞書からの引用です。
「洗滌は、古くは「せんてき」あるいは「せんでき」と読まれていたが、旁の「條」(条)に引きずられて「せんじょう」と読まれることがあった。 当用漢字に「滌」が入れられなかったことから、以後は同音同義の「洗浄(洗淨)」に統一された。」というものです。
私は、洗滌(せんでき)のようなある意味特殊な言葉をわざわざ誰が「せんじょう」と読み間違えて一般化したのかと長年密かに疑問を感じていました。
昭和初期の放送用語委員会の記録の慣用音についての議論の中に、洗滌器(せんじょうき)に関して『将来医学用語として「せんじょう」に一定せられようとも、一般国民を相手の放送としては「せんでき」と読むを原則とする。』という一文を見つけて医学関係の方が「せんできき」とは言い難く「せんじょうき」と呼び習わしたものと了解しました。
私は、これを発見した時はそれなりに面白いと思ったのですが、なかなか同意していただけないようです。
これ以外の話となると普通の技術的又は業務的な話になってしまいます。
多分、何の面白いこともない話ですし、やはり説明は難しいと言うお話でした。